発熱外来の最近の状況とクリニックの葛藤

土曜日に続き、今日も患者様をクリニックから救急車で基幹病院に搬送しました。

息苦しさで初めて来院され、当院で採血、心電図、心エコー、レントゲン検査を行った結果、緊急で心臓に処置をしなければならない方でした。

搬送先の病院へ入院し、無事に緊急治療が行われ、容体が安定しているとの連絡をいただきました。

寒いこの時期は、循環器疾患が増え重症となる方も多くいます。

そして今は新型コロナの第6波が爆発しかけており、発熱患者様とその問い合わせが急増しています。

今日だけでも問い合わせの電話が30件以上あり、発熱外来も10人ほど診察しました。

10人と言うと少ないように感じるかもしれませんが、持病がある定期受診の患者様の診察が終了後のお昼休憩の時間に発熱外来を行っています。

1人1人診察し抗原検査やPCR検査を行い処方、会計までするのに通常の患者様の3倍以上の時間と労力がかかります。

スタッフはとりあえずご飯をかき込むだけの数分の休憩しか取れていない状態でも、嫌な顔せず患者様と接して、一生懸命頑張ってくれています。

一番苦しく不安な思いや困っているのは患者様で、それを自分たちが診ることが役割だと理解しているからこそ出来ることであり、当院は今までかかりつけ患者様に限らずどんな方でも受け入れていました。

しかし第5波を超えるほどの発熱外来希望、検査希望が多く、どうしてもお断りせざるを得ない状況になっています。

もちろん、平気でお断りしているのではなく予約票と睨めっこしとても心苦しい思いで葛藤の毎日です。

ほとんどの方は理解してくださりますが、ごく稀に心ない言葉や暴言を吐いて電話を一方的に切られてしまう方もいらっしゃり、スタッフの張り詰めてる糸が切れてしまいそうになる瞬間もあります。

時間やマンパワーに余裕があればもちろんお断りしませんが、実際ギリギリまで患者様を診させていただいています。

お問い合わせや診察させていただいた患者さまの現在の傾向として、10代〜20代前半の無症状か微熱などの軽症で、周囲に陽性者が出たもしくは無料の検査やPCRセンターで陽性になったが病院で再度検査をしたいと言う方がとても多いです。

実情としてドラッグストアの無料検査やPCRセンターでの結果では、医師の診断がされていないため保健所に認定されないこととなっています。

医療機関で医師による判断がされ、初めて陽性と認められ保健所からの指示を受けることになります。

しかしそれらの方の再検査を全て受けていたら、高熱や肺炎などで専門的な治療や入院が必要となる患者様を診察することができず、命に関わることになります。

無症状で様子を見てくれる同居家族がいる方より、持病を抱える一人暮らしで高熱が出ている方を優先させていただきたいです。

もちろん若いからと言って全員が軽症で治る事ばかりではなく、中には症状が悪化する方もいるので身近で見ているご家族が心配になった場合は相談してください。

まず電話で丁寧に問診しその時に最良の判断ができるよう努力致します。

今日お断りした患者様はもう明日の発熱外来を予約され、明日の枠も埋まっています。

自分たちのキャパシティと受診・検査したい方の割合が全く合っておらず、正直今後どのようにしていくのが良いのか結論が出ません。

なるべく人を選ばず制限をかけずに外来を受け入れしたい気持ちは変わりませんが、この状況が続く場合は申し訳ありませんが当院に定期受診されている方のみ発熱外来、コロナ検査とさせていただくかもしれません。

毎日試行錯誤の日々ですが、スタッフを守りつつ患者様のお役に立てるよう努力して参りますのでご理解のほどよろしくお願い致します。